未来

学校の放課後

「忘れ物は、たぶん未来からの手紙」

「悠。忘れ物ってさ」 朝だった。 教室にはまだ人が少なく、窓から入る風がカーテンをゆらしている。 春は自分の机を見つめながら、腕を組んでいた。「なんだ」「未来の自分からのメッセージだと思う」「一時間目から何言ってるんだ」 春の机の上には何も...
学校の放課後

「タイムマシンは、たぶん遅刻するためにある」

「悠。タイムマシンって、絶対ちょっと遅れるよね」 朝だった。 登校中の坂道で、春はいつものようにパンをくわえていた。 今どき漫画でも見ないスタイルだった。「なんでだよ」「だって未来の技術だよ? “すごいです!”って顔してる機械ほど、アップデ...
学校の放課後

「カレンダーには敗北が書いてある」

「ねえ悠。カレンダーって、ちょっと失礼じゃない?」 放課後、春は教室の壁を見ながら言った。「急にどうした」「だって、“明日が来ますよ”って顔してる」「来るだろ」「でも、こっちはまだ今日をやってる途中なのに」 意味が分からない。 窓の外では運...
学校の放課後

「中間テストは、ちょっと未来の自分に会いに行くイベントらしい」

「悠、知ってる?」 朝一番、教室に入ってきた春が言った。「中間テストって、“今の自分の弱点発表会”じゃなくて、“未来の自分へのファンレター”なんだって」「誰が言ってたんだ、その怖い言葉」「今、私」 窓際の席にカバンを投げた春は、なぜかすごく...