食べ物の話

「流しそうめんは、たぶんスポーツ」

「ねえ悠。流しそうめんってさ」 春は突然、竹を見ながら言った。「絶対、“食事”じゃなくて“競技”だよね」「そうめんに失礼だろ」 夏祭りの準備だった。 商店街の端っこで、自治会のおじさんたちが竹を割っている。僕と春はその横で、なぜか流しそうめ...
遊びと趣味

「シャボン玉は、空まで逃げる」

「ねえ悠。シャボン玉って、めちゃくちゃ自由だよね」 帰り道だった。 商店街を抜けた先の小さな公園で、春は突然立ち止まった。 小学生くらいの子どもが、ベンチの横でシャボン玉を飛ばしている。「突然どうした」「だって見て。風に全部まかせてるのに、...
食べ物の話

「おいしくな〜れ」

「ねえ悠。“おいしくな〜れ”って、本当に効いてると思う?」 昼休み。 購買で買った焼きそばパンを見つめながら、春が真顔で言った。「急だな」「でもさ、メイドカフェとかでやるじゃん。“おいしくな〜れ♡”って」「行ったことあるみたいな言い方やめろ...
日常の不思議

「あくびのタイミング」

「ねえ悠。あくびってさ、体の“再起動”らしいよ」 放課後の教室で、春は窓際に突っ伏したまま言った。「絶対違う情報源から仕入れてるだろ、その知識」「でも実際、あくびしたあとってちょっとスッキリしない?」「それは眠気をごまかされてるだけだ」 春...
日常の不思議

「二階から目薬」

「ねえ悠。“二階から目薬”って、挑戦する人を笑いすぎだと思わない?」 放課後、春は急にそんなことを言った。「急だな。あと、ことわざに怒るな」「でもさ、“そんなの無理だよ”って意味で使うじゃん?」「まあ、だいたいそうだな」 春は歩道橋の階段を...
日常の不思議

「回れ右の才能」

「ねえ悠。人生って、たまには“回れ右”した方がいいと思うんだよね」 帰り道だった。 部活終わりの夕方。 オレンジ色の光が住宅街を長く伸ばしていて、春はその真ん中をぴょこぴょこ歩いている。「急にどうした」「だってさ。みんな“前へ進め”ばっかり...
学校の放課後

「ティータイムは戦場だった」

「ねえ悠。紅茶って、ちょっと偉そうじゃない?」 放課後のファミレスで、春は突然そんなことを言った。「第一声がそれ?」「だって見てよ。“ティータイム”だよ? おやつの時間なのに、なんか貴族感ある」「お前、“おやつ”に貴族感求めてないだろ」 春...
日常の不思議

「ダイヤモンドは落ちてない」

「悠、ダイヤモンドってさ」 帰り道、春が突然しゃがみこんだ。「たまに道に落ちてたりしないのかな」「落ちてないよ。石ころみたいに言うな」 春はアスファルトをじっと見つめたまま、「でも可能性はゼロじゃないよね」と真顔で言った。 六月の夕方だった...
遊びと趣味

「ファイナルアンサー」

「ねえ悠」 放課後のコンビニで、春はカップ焼きそばを見つめながら言った。「人生って、“ファイナルアンサー?”って聞かれる回数、多すぎない?」「急に『クイズミリオネア』みたいな話するな」「だってさ。進路希望もそうだし、提出物もそうだし、“本当...
学校の放課後

「眼鏡デビューは世界の再放送」

「ねえ悠。眼鏡って、世界の“高画質版”だと思わない?」 朝一番、教室に入ってきた春は、開口一番そんなことを言った。 しかも伊達眼鏡だった。「いや、お前目いいだろ」「うん。でも“見える”と“見ようとする”って違うじゃん?」「朝から哲学っぽいこ...