女勇者フェルミノ

【女勇者フェルミノ 第2話】宿屋で眠るより、野宿の方が高い

宿代を節約するため無料の草地で野宿しようとする女勇者フェルミノ。ところが、薪、虫よけ、雨対策、睡眠不足まで計算すると――無料なのは地面だけでした。
女勇者フェルミノ

【女勇者フェルミノ 第1話】勇者なのに、仲間を作らない理由

魔王討伐を命じられた女勇者フェルミノ。仲間を集めるよう勧められますが、宿代、食費、装備代を計算し、一人旅を選びます。
春と悠シリーズ

消しゴムって、間違いを食べて小さくなるよね

放課後の教室で、春が机の下をのぞき込んでいた。「ねぇ悠。ちょっと動かないで」「何か落とした?」「消しゴム」俺は椅子を引いた。机の脚の近くに、白い小さな塊が落ちている。拾い上げると、消しゴムというより角の丸い小石に見えた。新品だった頃の三分の...
春と悠シリーズ

「忘れ物は、たぶん未来からの手紙」

「悠。忘れ物ってさ」 朝だった。 教室にはまだ人が少なく、窓から入る風がカーテンをゆらしている。 春は自分の机を見つめながら、腕を組んでいた。「なんだ」「未来の自分からのメッセージだと思う」「一時間目から何言ってるんだ」 春の机の上には何も...
春と悠シリーズ

「小銭は、たぶん応援団」

放課後だった。 春は自動販売機の前で立ち尽くしていた。 手のひらには、数枚の小銭。 なぜか真剣な顔で見つめている。「何してるんだ」 隣に来た悠が聞く。「小銭って、応援団だと思う」「急に意味がわからない」「だって百円玉一枚だけだと、なんか心細...
春と悠シリーズ

「夕焼けは、たぶん空の帰り道」

「悠。夕焼けってさ」 帰り道だった。 川沿いの道を二人で歩いている。 空はオレンジ色で、遠くの雲までゆっくり染まっていた。「うん」「空が家に帰ってる途中なんだと思う」「どういう状態だよ」 春は夕焼けを見上げたまま続ける。「だって朝は青いじゃ...
春と悠シリーズ

「ポロシャツは、たぶん顔が四つある」

「ねえ悠」 放課後だった。 春は教室の窓に映る自分を見ながら、なぜか真剣な顔をしていた。「ポロシャツってさ」「うん」「服界のコウモリだよね」「急に悪口みたいなこと言うな」 春は振り返った。「だって見てよ。Tシャツほどラフじゃないし、ワイシャ...
春と悠シリーズ

「タイムマシンは、たぶん遅刻するためにある」

「悠。タイムマシンって、絶対ちょっと遅れるよね」 朝だった。 登校中の坂道で、春はいつものようにパンをくわえていた。 今どき漫画でも見ないスタイルだった。「なんでだよ」「だって未来の技術だよ? “すごいです!”って顔してる機械ほど、アップデ...
春と悠シリーズ

「浴衣って、歩く“夏”なんだと思う」

「悠。浴衣ってさ、“歩ける季節”だと思わない?」 商店街だった。 夏祭りの準備中らしく、頭の上には提灯が並んでいる。 まだ夕方なのに、空気だけ先に夜祭りの顔をしていた。「意味わからんこと言うな」「だって浴衣の人いると、“あ、夏来た”ってなる...
春と悠シリーズ

「ピアノは、たぶん記憶を踏んでいる」

「悠。ピアノって、“音の階段”だと思わない?」 放課後だった。 音楽室の窓から、夕方の光が床に長く伸びている。 誰もいない教室の真ん中で、春はグランドピアノを見つめていた。「急に詩人みたいなこと言うな」「だって見て。鍵盤、白と黒で交互になっ...
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