遊びと趣味

遊びと趣味

「片付けって、“過去の自分”との交渉らしい」

「片付けってさ、“物を捨てる作業”じゃないんだよ」 放課後。 春は俺の部屋の床に座り込み、なぜかゲームの空箱を神妙な顔で見つめていた。「じゃあ何だよ」「“過去の自分との話し合い”」「急に重いな」 床には漫画、プリント、謎のコード類、片方だけ...
遊びと趣味

「動物園って、たぶん“見る側”の檻なんだよ」

「ねえ悠。動物園ってさ」 春が急に立ち止まった。「なんだよ」「動物からしたら、“人間園”でもあるよね」「最初から哲学っぽく入るな」 五月の午後だった。 休日の動物園は、子どもの声とポップコーンの匂いで満ちている。 キリンを見て騒ぐ子ども。 ...
遊びと趣味

「ラジオは、たぶん孤独に話しかけてる」

「ねえ悠。ラジオってさ」 帰り道、春は自販機の前で立ち止まった。「知らない人が、知らない人に向かって、ずっと喋ってるんだよ」「急にラジオの核心みたいなこと言うな」「しかも深夜二時とかに」「時間まで限定するな。なんか寂しくなるだろ」 春はコー...
学校の放課後

「勇者って、たぶんコンビニにもいる」

「ねえ悠。勇者って、何を基準に選ばれてると思う?」 放課後、コンビニの前だった。 春はアイスを片手に、急に世界の核心みたいなことを言い始めた。「知らないけど。剣抜いたやつとかじゃないの」「でもさ、あれ絶対“たまたま抜けた人”いるよね」「夢壊...
学校の放課後

「伸びしろの定義」

「ねえ悠。ストレッチって、身体が“びっくりしてる時間”らしいよ」 帰り道だった。 部活帰りの高校生たちが自転車で坂を下っていく横を、僕と春はだらだら歩いていた。「誰情報だよ、それ」「私」「発信源が雑すぎる」 春は歩きながら、突然アキレス腱を...
遊びと趣味

「シャボン玉は、空まで逃げる」

「ねえ悠。シャボン玉って、めちゃくちゃ自由だよね」 帰り道だった。 商店街を抜けた先の小さな公園で、春は突然立ち止まった。 小学生くらいの子どもが、ベンチの横でシャボン玉を飛ばしている。「突然どうした」「だって見て。風に全部まかせてるのに、...
日常の不思議

「二階から目薬」

「ねえ悠。“二階から目薬”って、挑戦する人を笑いすぎだと思わない?」 放課後、春は急にそんなことを言った。「急だな。あと、ことわざに怒るな」「でもさ、“そんなの無理だよ”って意味で使うじゃん?」「まあ、だいたいそうだな」 春は歩道橋の階段を...
日常の不思議

「回れ右の才能」

「ねえ悠。人生って、たまには“回れ右”した方がいいと思うんだよね」 帰り道だった。 部活終わりの夕方。 オレンジ色の光が住宅街を長く伸ばしていて、春はその真ん中をぴょこぴょこ歩いている。「急にどうした」「だってさ。みんな“前へ進め”ばっかり...
日常の不思議

「ダイヤモンドは落ちてない」

「悠、ダイヤモンドってさ」 帰り道、春が突然しゃがみこんだ。「たまに道に落ちてたりしないのかな」「落ちてないよ。石ころみたいに言うな」 春はアスファルトをじっと見つめたまま、「でも可能性はゼロじゃないよね」と真顔で言った。 六月の夕方だった...
遊びと趣味

「ファイナルアンサー」

「ねえ悠」 放課後のコンビニで、春はカップ焼きそばを見つめながら言った。「人生って、“ファイナルアンサー?”って聞かれる回数、多すぎない?」「急に『クイズミリオネア』みたいな話するな」「だってさ。進路希望もそうだし、提出物もそうだし、“本当...