春と悠シリーズ

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氷は、飲み物の中で夏をやめる

麦茶の中で小さくなる氷を見つめる春。「冷たい自分を配って、普通の水になる」と、溶ける時間の意味を考え始めます。
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麦茶は、夏の待ち時間

麦茶が冷えるまで待てない春。「入れた瞬間は水で、待つと夏になる」と言い出し、冷蔵庫の一時間を観察します。
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「閉」ボタンは、たぶん気持ちだけ急いでる

押さなくても閉まるエレベーターの「閉」ボタン。春はそれを、体は楽をしたいのに気持ちだけ急いでいる人のボタンだと考えます。
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レシートは、買い物の卒業証書

コンビニでもらった一枚のレシートを、春は「買い物の卒業証書」と呼びます。悠が整理するほど、買い物は学校らしくなっていきます。
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傘って、雨を一人分だけ止めるよね

突然の雨を一本の傘で帰る春と悠。半分ずつ濡れた春は「傘は一人分の雨を二人で分けている」と考え始めます。
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消しゴムって、間違いを食べて小さくなるよね

放課後の教室で、春が机の下をのぞき込んでいた。「ねぇ悠。ちょっと動かないで」「何か落とした?」「消しゴム」俺は椅子を引いた。机の脚の近くに、白い小さな塊が落ちている。拾い上げると、消しゴムというより角の丸い小石に見えた。新品だった頃の三分の...
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「忘れ物は、たぶん未来からの手紙」

「悠。忘れ物ってさ」 朝だった。 教室にはまだ人が少なく、窓から入る風がカーテンをゆらしている。 春は自分の机を見つめながら、腕を組んでいた。「なんだ」「未来の自分からのメッセージだと思う」「一時間目から何言ってるんだ」 春の机の上には何も...
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「小銭は、たぶん応援団」

放課後だった。 春は自動販売機の前で立ち尽くしていた。 手のひらには、数枚の小銭。 なぜか真剣な顔で見つめている。「何してるんだ」 隣に来た悠が聞く。「小銭って、応援団だと思う」「急に意味がわからない」「だって百円玉一枚だけだと、なんか心細...
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「夕焼けは、たぶん空の帰り道」

「悠。夕焼けってさ」 帰り道だった。 川沿いの道を二人で歩いている。 空はオレンジ色で、遠くの雲までゆっくり染まっていた。「うん」「空が家に帰ってる途中なんだと思う」「どういう状態だよ」 春は夕焼けを見上げたまま続ける。「だって朝は青いじゃ...
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「ポロシャツは、たぶん顔が四つある」

「ねえ悠」 放課後だった。 春は教室の窓に映る自分を見ながら、なぜか真剣な顔をしていた。「ポロシャツってさ」「うん」「服界のコウモリだよね」「急に悪口みたいなこと言うな」 春は振り返った。「だって見てよ。Tシャツほどラフじゃないし、ワイシャ...
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