春と悠

春と悠シリーズ

扇風機は、風を平等に配ってる

扇風機は風を平等に配っていると言う春。風の順番から宿題の順番まで話が広がる、夏休みの学習室を舞台にした日常短編です。
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日焼け止めは、見えない日陰

日焼け止めを「見えない日陰」と呼ぶ春。帽子や建物の影、そして参考書まで、悠と一緒に“未来を守るもの”を考える夏の日常短編です。
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セミの声は、夏の既読

姿は見えないのに返事だけが降ってくる。「セミの声は、夏の既読」と言い出した春と悠が、図書館までの道で夏の会話を探します。
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氷は、飲み物の中で夏をやめる

麦茶の中で小さくなる氷を見つめる春。「冷たい自分を配って、普通の水になる」と、溶ける時間の意味を考え始めます。
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「小銭は、たぶん応援団」

放課後だった。 春は自動販売機の前で立ち尽くしていた。 手のひらには、数枚の小銭。 なぜか真剣な顔で見つめている。「何してるんだ」 隣に来た悠が聞く。「小銭って、応援団だと思う」「急に意味がわからない」「だって百円玉一枚だけだと、なんか心細...
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「夕焼けは、たぶん空の帰り道」

「悠。夕焼けってさ」 帰り道だった。 川沿いの道を二人で歩いている。 空はオレンジ色で、遠くの雲までゆっくり染まっていた。「うん」「空が家に帰ってる途中なんだと思う」「どういう状態だよ」 春は夕焼けを見上げたまま続ける。「だって朝は青いじゃ...
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「ポロシャツは、たぶん顔が四つある」

「ねえ悠」 放課後だった。 春は教室の窓に映る自分を見ながら、なぜか真剣な顔をしていた。「ポロシャツってさ」「うん」「服界のコウモリだよね」「急に悪口みたいなこと言うな」 春は振り返った。「だって見てよ。Tシャツほどラフじゃないし、ワイシャ...
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「タイムマシンは、たぶん遅刻するためにある」

「悠。タイムマシンって、絶対ちょっと遅れるよね」 朝だった。 登校中の坂道で、春はいつものようにパンをくわえていた。 今どき漫画でも見ないスタイルだった。「なんでだよ」「だって未来の技術だよ? “すごいです!”って顔してる機械ほど、アップデ...
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「浴衣って、歩く“夏”なんだと思う」

「悠。浴衣ってさ、“歩ける季節”だと思わない?」 商店街だった。 夏祭りの準備中らしく、頭の上には提灯が並んでいる。 まだ夕方なのに、空気だけ先に夜祭りの顔をしていた。「意味わからんこと言うな」「だって浴衣の人いると、“あ、夏来た”ってなる...
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「ピアノは、たぶん記憶を踏んでいる」

「悠。ピアノって、“音の階段”だと思わない?」 放課後だった。 音楽室の窓から、夕方の光が床に長く伸びている。 誰もいない教室の真ん中で、春はグランドピアノを見つめていた。「急に詩人みたいなこと言うな」「だって見て。鍵盤、白と黒で交互になっ...
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